今回は太陽の初回であると同時に、月や星座なども含めた天体分野すべてにつながる"初歩の初歩"の話でもあります。太陽にしろ、月や星座にしろ、天体では「□□時に△△の方角に見える」といった話が非常によく出てきますから、方角と時刻についての正しい知識と理解は、天体を学習していく上では最初期の段階で身につけるべきものであると言えます。
No.1 1日の太陽の動き ※4分37秒の動画です
4方位のうち1つでも決めることができれば、残りの3つは自動的に決まります。太陽が最も高い位置にくる『南中』は図中で最も明確に分かるタイミングですから、これにもとづいて南(または北)から決めていくとよいでしょう。
なお、太陽の通り道については、できるだけ平面図よりも立体図のほうで慣れていくことをオススメします。その理由は一言でいえば「立体図のほうが汎用性が高いから」なのですが、これについては後々の学習(特に星座)で実感することが多いと思いますので、そのような際に少しずつ言及していくつもりです。
No.2 南中時刻 ※5分45秒の動画です
12時制と24時制については一般的には小学3年生のときに学習するようです。ただ、小学校での学習のみでこれを正しく活用できるようになる子は意外に少なく、小学4年生や5年生になっても間違えてしまうことは全くめずらしいことではありません。
ある程度の練習を積み、『12時制から24時制への変換』と『24時制から12時制への変換』が行えるようになること。そして、状況に応じて『1時間を差し引く代わりに60分を足す』等の"時刻(時間)表現の変更"をスムーズに行えるようになれば、ひとまずゴールとみなして構いません。
※ なお、「午前12時」や「午後12時」のような表し方は、厳密に言えば正しい表現ではないので(テストで×にされることはあまりないと思いますが…)できるだけ避けたほうがよいでしょう。
No.3 南中時刻② ※5分53秒の動画です
市販の問題集等では「南中時刻は?」というタイプの問いだけが紹介されていることが多く、それにともない、南中時刻を求める"平均算"が唯一の計算手法であるかのごとく書かれている場合がありますが、それは万能な解き方というわけではありません。
線分図を用いれば明らかなことですが、じつは日の出時刻・南中時刻・日の入り時刻・昼の長さという4つのデータのうち、2つが決まれば残りの2つも自動的に決まります。南中時刻が『日の出時刻と日の入り時刻の平均』であることも、この線分図から自然に発想できる子が多いと思います。
天体は、幼いころから興味を持っている子供が非常に多い分野であり、はじめのうちは(他の分野や教科と比べると)意欲的に勉強してくれることが多いと思います。ですが同時に、勉強していく中で大きな壁にぶつかって挫折してしまう子が続出する分野でもあります。
"その場しのぎ"のような安易な解決法ばかりに頼ってしまうと、壁にぶつかった際にそれを乗り越えることが難しくなってしまいます。なので、最初こそ地に足をつけた状態で着実に理解していくことを心がけてもらいたいところです。
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