[化学] 溶解度 主役は〇〇!? 【動画No.1-2】

 中学入試において"食塩水の計算"といえば、理科ではなく算数を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。じつを言うと、理科の溶解度計算は、算数で学習する食塩水問題とは全くの別モノです。いや、たしかに共通点が多々あることは事実です。登場する物(水や食塩など)は同じですし、どちらもg(グラム)や%(パーセント)を用いた計算が必要とされますから、「全くの別モノ」は言い過ぎではあります。
 それでも理科と算数には大きなちがいがあり、そこを意識することなく「算数でやってきた事と大体同じ」と思って理科の溶解度計算に取り組むのは、あまりオススメできません。では、その"大きな違い"とは何なのか…?

No.1 とかせる最大量 ※7分02秒の動画です

No.2 溶解度曲線 ※5分58秒の動画です

 理科の溶解度という単元は『水がものをとかす能力の限界』についての話ですから、水の量に注目することが何よりも大切。溶解度計算は"水が主役"ということです。
 一方、算数で学習する食塩水問題は、『こさ(濃度)』という割合の一種をテーマにしたものです。そのため、算数で注目される量はおもに食塩量と全体量(食塩水全体の量)であり、水の量に注目することはめったにありません。

 つまり、理科の溶解度計算と算数の食塩水問題は、注目すべき点が異なるという意味で「全くの別モノ」なのです。算数と同じ姿勢で溶解度計算に取り組むと、ついつい水の量を無視しがちです。水の量に注目しないと『水にとかせる最大量』を求めることができませんから、問題でつまずくことが多くなってしまいます。「算数の食塩水問題はそこそこ得意なんだけど、理科の溶解度計算は…」と言う生徒は、大体がこのパターンです。

 また、問題文が長くなると急激に正答率が下がるというのも、この単元の特徴です。今回の動画はまだまだ初級編なので難なく解きこなせる生徒が多いと思いますが、たとえば、途中で水を少し蒸発させたり、水溶液の一部を別のビーカーに移したり等の操作が加わると、水の量が分からなくなってしまうことがあります。もちろん、水の量を見失った時点で大抵はゲームオーバーです。そのような複雑な問題の場合、正確に水の量を追いかけることができるかが勝負どころになるので、その為の整理技術を身につけていく必要があります。そのあたりの話は、No.3以降でやっていきます。

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